そんな声をよく聞きます。
私は保育士として30年以上、子どもの食に関わってきました。家では3人の息子を育て、今は孫にもごはんを作っています。
その中でずっと使ってきた鍋が、2つだけあります。
ひとつは35年使っているステンレスの鍋。もうひとつは毎日玄米を炊いている土鍋です。
どちらもフッ素樹脂加工がされていません。そして、買い替えたことが一度もありません。
この記事では、その2つを中心に、フッ素加工なしで選べる鍋をご紹介します。毎日使ってきて分かったことを書きます。
安全な鍋ランキング|用途で選ぶ2つ
鍋は「どれが一番いいか」ではなく、何に使うかで決まります。
毎日の煮炊きに向くものと、ごはんや鍋物に向くものは別物です。ですから、ここでは1位を2つに分けました。
毎日の煮炊きなら|ステンレスの全面多層構造
焼く・煮る・炒める・ゆでる、毎日の料理を1つでこなすなら、ステンレスとアルミを重ねた全面多層構造の鍋です。
私が使っているのは、ビタクラフトの「サンディエゴ」という5層構造のもの。20cmで、深さがあります。アメリカ製で、今は販売が終わっています。
35年使っている実物です。刻印もすり減りました。毎日使っているので、こんな状態です。
フライパンとして買ったものですが、同じ材質の蓋がついていて、その蓋に空気穴がありません。これが大きな違いでした。
蓋がぴったり閉まるので、水を足さずに野菜を茹でたり、蒸したりできます。重ねて火を通すこともできます。
弱火が基本なので、光熱費も安く済みます。
35年、毎日使って、買い替えたことは一度もありません。
今から買うなら
サンディエゴは廃番です。でも、構造は今のシリーズにそのまま残っています。
- アルミ 熱が伝わりやすい
- ステンレス 冷めにくい
この2つを鍋全面に重ねたのが「全面多層構造」です。今のシリーズでも同じことができます。
ビタクラフトは楽天・Amazon・公式サイトで購入できます。
ごはん・鍋物・蒸しものなら|土鍋
土鍋は、そもそも表面を加工する必要がありません。土を焼いたものですから、剥がれるコーティングが最初から存在しないのです。
私が使っているのは、長谷園の「かまどさん」の一合炊き。子どもたちが家を離れて夫婦二人になってから買ったので、この大きさにしました。使い始めて4年半、毎日これで玄米を炊いています。
4年半使っているかまどさんです。上ぶたは、割ってしまって買い直したもの。
火加減はいりません。中弱火にかけて、時間が来たら火を止めて蒸らすだけ。吹きこぼれもありません。
冬は寄せ鍋や湯豆腐にも使います。なかなか冷めないので、食卓に置いたまま最後までゆっくり食べられます。そのまま出しても見た目に違和感がないのも、気に入っているところです。
野菜を蒸すのにも使います。油を使わなくていいので、これは私のお気に入りの食べ方です。
長谷園のかまどさんは楽天・Amazon・公式サイトで購入できます。
毎日の煮炊きはステンレスの深型ひとつ。ごはんと鍋物と蒸しものは土鍋ひとつ。私はこの2つだけで、35年やってきました。鍋をいくつも揃える必要はありません。
鍋の「フッ素加工」とは何か
市販の鍋の多くは、アルミにフッ素樹脂のコーティングをしたものです。
- こびりつかない
- 安い
- 軽い
- ただし、コーティングに寿命がある
- 剥がれたら買い替え
便利なのは確かです。ただ、消耗品だということは知っておいてください。
PFASという言葉
フッ素樹脂加工には、PFAS(ピーファス)と呼ばれる化学物質が関わっています。
近年、水道水の問題で名前を聞くようになりました。
PFASは、炭素とフッ素からできた化学物質のまとまりです。自然の中で分解されにくく、水や油をはじく性質があるため、幅広い製品に使われてきました。
このうちPFOS・PFOA・PFHxSなどは、日本では製造や輸入が原則禁止されています。化審法の「第一種特定化学物質」に指定されているためです。
出典:環境省 PFASとは何ですか/PFASはどのように規制されていますか
規制されている物質は、すでに使われていません。
ただ私は、剥がれるものを毎日の料理に使いたくない、と思ってきました。それだけの理由で、35年前からフッ素加工のない鍋を選んでいます。
ここが違います
- フッ素加工あり 寿命は数年、剥がれたら買い替え、価格は安い
- 加工なし(ステンレス・土鍋) 寿命は長い、手入れすれば買い替え不要、価格は高い
買うときは高くつきます。でも私は35年、一度も買い替えていません。
35年のあいだに、フッ素加工なら何度も買い替え。私の鍋は0回です。
素材ごとの違い
フッ素加工なしの鍋には、いくつか種類があります。
| 素材 | 得意なこと | 気をつけること | 重さ |
|---|---|---|---|
| ステンレス多層 | 煮る・焼く・炒める・蒸す | 予熱しないと焦げつく | 重い |
| 土鍋 | ごはん・鍋物・蒸しもの | 落とすと割れる | 重い |
| ホーロー | 煮込み・保存 | ぶつけると欠ける | とても重い |
| 鉄 | 高温で焼く | 錆びる・手入れが要る | とても重い |
| アルミ | お湯を沸かす・下ゆで | 酸に弱い・変色する | 軽い |
加工がないぶん、どれもひと手間かかります。その代わり長く使えます。
迷ったら、この順です
- ステンレス多層の深型
- 土鍋
この2つで、毎日の料理はまわります。ホーローや鉄は、使いたい料理がはっきりしてから足せば十分です。
ホーロー鍋について
ホーローは、鉄の表面にガラス質をかけて焼きつけたものです。
色のついた釉薬に、昔はカドミウムや鉛が使われることがありました。
今は食品衛生法で溶け出す量に上限があり、使用を控えるメーカーも増えています。
つまり、普通に売られているものなら心配はいりません。極端に安いものや、輸入品で気になるときだけ確認すれば十分です。
土鍋の釉薬は
同じことを土鍋で気にされる方もいます。
食器や調理器具の釉薬も、同じ食品衛生法の対象です。国内メーカーの製品なら、この基準を満たしています。
私が使っている長谷園は、三重県伊賀市で焼いている窯元です。安心して毎日使っています。
蓋つきの深型が1つあれば、鍋はいらない
私が35年使っているのは、フライパンとして買ったものです。
鍋として買ったわけではありません。それなのに、鍋の仕事を全部してきました。
理由は、蓋にあります
普通の蓋には空気穴があります。この蓋には、それがありません。
たったこれだけの違いです。でも、できることが変わります。
- 水を足さずに野菜が茹でられる
- そのまま蒸せる
- 重ねて一度に火を通せる
- 弱火で足りるので光熱費が安い
蓋がぴったり閉まって蒸気が逃げないので、野菜から出る水分だけで火が通ります。
小松菜としめじに、塩をひとつまみ。水はほとんど入れません。これで火が通ります。
深さがあるから、鍋になります
20cmで、深さがあるタイプです。
浅いフライパンは焼く・炒めるだけ。深型なら、煮る・茹でる・蒸すまでできます。
汁物も作れます。カレーもシチューも、これで作ってきました。
浅いことが、むしろ便利でした
深い鍋より、少し浅い。ここが毎日の料理では効きます。
- 底までよく見える
- 混ぜやすい
- すくいやすい
- 洗いやすい
深い鍋は、底のほうが見えません。焦げつかせてから気づくことになります。
35年で分かったこと
焦げつかせたこともあります。そのたびに洗えば元に戻りました。剥がれるものがないので、傷んで使えなくなることがありません。
35年、毎日使って、買い替えは0回。日数にすればおよそ12,000日です。この1つがあれば、鍋は買い足さなくていい。それが私の結論です。
土鍋は、加工がそもそもいらない鍋
フッ素加工なしの鍋を探しているなら、一番わかりやすい答えが土鍋です。
土を焼いたものなので、剥がれるコーティングが最初から存在しません。
毎日これで玄米を炊いています
私が使っているのは、長谷園の「かまどさん」の一合炊きです。
子どもたちが家を離れて夫婦二人になってから買ったので、この大きさにしました。使い始めて4年半になります。
炊き上がった玄米です。粒が立っています。
炊き上がったら、そのまま食卓へ。土鍋ごと出せるので、器がひとつ減ります。
かまどさんは上ぶたと中ぶたの二重構造です。これが火加減をいらなくしています。
- 火加減はいりません
- 中弱火にかけて、時間が来たら火を止める
- あとは蒸らすだけ
- 吹きこぼれもありません
炊飯器を出したりしまったりする手間がなくなりました。
白米から玄米に変えて4年半、私の体に起きた変化については別の記事に書いています。
フッ素加工なしで玄米を毎日炊く暮らし|かまどさんを使い続けた保育士ママの記録
冬は、鍋物にも蒸しものにも
寄せ鍋や湯豆腐にも使います。
昨日の水炊きです。土鍋ごと食卓に出して、そのまま最後まで食べました。なかなか冷めないので、ゆっくり食べられます。
そのまま出しても見た目に違和感がないので、取り分ける器がひとつ減ります。
野菜を蒸すのにも使います。油を使わずに、いろいろな野菜をそのまま蒸して食べる。これは私のお気に入りです。
落として割ってしまいました
2か月ほど前の朝のことです。蓋を落として割ってしまいました。
玄米を炊くために買った土鍋で、ほかの土鍋より値段も高かったので、しばらく立ち直れませんでした。
でも、蓋だけ買えることを思い出しました。
注文して、届いて、今も同じ本体を使い続けています。
- 上ぶた、中ぶた、本体は別々に買える
- 割ったのが1か所なら、買い直すより安い
- サイズごとに部品が用意されている
土鍋をためらう一番の理由は「割れたら終わり」だと思います。でも、そうではありませんでした。
土鍋は加工がいらない鍋です。ごはん、鍋物、蒸しもの。この3つをこれ1つでまかなえます。割っても部品だけ買い直せるので、思っているより長く使えます。
長谷園のかまどさんは楽天・Amazon・公式サイトで購入できます。
離乳食にこそ、この1台
離乳食を作っていた頃、この鍋が一番活躍しました。
少ない量が、すぐ煮えます
離乳食は量が少ないものです。
- 少量でもすぐ火が通る
- 弱火で足りるので、そばを離れられる
- 蓋をすれば、水を足さずに野菜がやわらかくなる
- 洗い物が一つで済む
大きな鍋に少しだけ入れて煮ると、時間もかかるし焦げつきます。20cmで深さのあるこの鍋は、少量の調理にちょうどよい大きさでした。
浅いから、作りやすい
離乳食は、つぶしたり混ぜたりする作業が多くなります。
深い鍋より少し浅いので、底まで見えて、混ぜやすく、すくいやすい。この違いが毎日効きました。
鍋の中で直接つぶせるので、道具も増えません。
ブログの写真も、この鍋で作りました
離乳食の記事にのせている調理の写真は、どれもこの鍋で作ったものです。
【2026年版】コープ離乳食おすすめ13選|保育士ママが初期・中期・後期別に厳選
【2026年最新版】離乳食の無添加パンおすすめ6選|保育士ママが厳選
離乳食に使う道具については、こちらにまとめています。
【離乳食準備】必要な道具と選び方、あったら困らない物や長く使える物9点
離乳食のために小さな鍋を買い足す方は多いのですが、深型のフライパンが一つあれば足ります。少量でもすぐ煮えて、浅いから混ぜやすい。離乳食が終わったあとも、そのまま毎日の料理に使えます。
魚は、焼くのも煮るのもこれで
グリルを使わなくなりました。
- グリルは洗うのが大変
- 受け皿に水を張る手間がある
- 焼いたあとの掃除で、結局ひと仕事
道具を増やせば、そのぶん手間も増えます。私はこの鍋ひとつで焼いています。
ししゃもを焼くとき
油をうすくひいて、並べて焼きます。
ステンレスの面で直接焼くほうが、私には安心です。油はうすくで足ります。
弱火で焼きます。あまり動かさずに待つだけです。
焼いたあとは、お湯とスポンジですぐ落ちました。煮立たせる必要もありません。
器に盛れば、グリルで焼いたものと変わりません。
クッキングシートを敷く方法もあります。焦げつきが心配な方は、そちらでも構いません。どちらでも焼けますので、使いやすいほうを選んでください。
グリルより早く、洗い物も鍋ひとつです。
煮魚も、同じ鍋で
魚の甘煮を作りました。付け合わせの野菜も、同じ鍋で一緒に煮ています。
深さがあるので、煮汁がしっかり入ります。焼く鍋と煮る鍋を分ける必要がありません。
青菜をゆでるのも
小松菜としめじをゆでました。
洗って、塩をひとつまみ入れてゆでるだけ。そのあと練りごまと醤油であえて、そのまま食卓に出しました。
- 洗う
- 塩を少し入れてゆでる
- 練りごまと醤油であえる
鍋ひとつ、手順は3つ。こういう日の積み重ねが、毎日の料理だと思っています。
使っている塩は、沖縄の海塩です。塩の選び方については別の記事に書いています。
【2026年最新】スーパーで買える天然塩おすすめ2選|保育士ママが30年使い続けた本物の塩
焼く、煮る、ゆでる。魚も野菜も、この鍋ひとつで足ります。グリルを出さないぶん、洗い物も手間も減りました。
重い鍋は、宅配で
ここまで読んで、気になった方もいると思います。
ステンレスの多層構造も、土鍋も、軽くはありません。長く使えるぶん、しっかり作られているからです。
買って帰るのが、大変です
- 鍋は思っている以上に重い
- お店から持ち帰るのがつらい
- 子ども連れなら、なおさら
- 土鍋は、持ち運びの途中で割る心配もある
私は、重いものは家まで届けてもらうことにしています。
生協のカタログには、調理器具も載っています
食品だけだと思われがちですが、鍋やフライパン、日用品も扱っています。
毎週の注文にそのまま足すだけで、玄関まで届きます。
私は35年、生協を使ってきました。今使っているステンレスの鍋も、生協で買ったものです。
米、水、調味料。重いものをまとめて任せておくと、買い物そのものが変わります。
重いものの買い物がラクになる宅配
🛒 生協でも安全な調理器具・食材が揃います
加工なしの鍋は重いものです。だからこそ、届けてもらうのが一番楽でした。生協なら毎週の注文にそのまま足せて、玄関まで運んでもらえます。
よくある質問
焦げつきませんか
弱火で、あまり動かさずに焼けば、ほとんど焦げつきません。
- 火は弱めでよい
- 入れたら、すぐに動かさない
- 少し待つ
フッ素加工と同じ使い方をすると失敗します。強い火で急がないことだけです。
焼いたあとに鍋肌についた汚れは、お湯とスポンジで落ちます。剥がれるコーティングがないので、こすっても傷みません。
焦がしてしまったら
水を張って少し煮立たせ、しばらく置いてから洗えば落ちます。
剥がれるコーティングがないので、こすっても傷みません。ここが加工なしの気楽なところです。
IHでも使えますか
- ステンレス多層 使えます
- 土鍋 直火専用のものが多く、使えないことがあります
かまどさんは直火専用です。IHをお使いなら、購入前に必ず確認してください。
食洗機に入れられますか
ステンレスは入れられます。土鍋は手洗いです。
土鍋のお手入れは
- 使い始めに「目止め」をする(おかゆを炊く)
- 使ったあとはよく乾かす
- 濡れたまましまわない
乾かすことだけ守れば、長く使えます。
重くて扱えないのでは
軽くはありません。ただ、毎日使っていると慣れます。
買って帰るときが一番大変なので、そこは宅配に任せるのが楽です。
高くありませんか
最初は高く感じます。
でも私は35年、一度も買い替えていません。数年ごとに買い替えるものと比べると、長い目では変わらないと思っています。
まとめ|鍋は2つで足ります
フッ素加工なしの鍋は、高くて重くて、少し手間がかかります。
でも、剥がれるものがないので、買い替えがいりません。
- 毎日の煮炊きは、ステンレス多層の深型
- ごはん・鍋物・蒸しものは、土鍋
- この2つで、35年やってきました
鍋をいくつも揃える必要はありません。1つずつ、長く使えるものを。
フッ素加工なしの鍋を選ぶなら、ステンレス多層の深型と土鍋の2つ。買うときは高くても、35年使えば安いものです。重いので、届けてもらうのが楽でした。
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