子どもの食事では、「好き嫌いが多くて、食が進まない」「食べる量にムラがある」など、悩みも多いのではないでしょうか。
私の勤めている学童クラブの夏休みは、水分補給も兼ねて、お昼に具だくさんの味噌汁やスープを毎日作って食べてもらいました。
その中にはシメジやエノキなどのきのこ類も入っていますが、多くの子が苦手なようです。 シメジが食べきれずになかなか完食できないでいる子もいました。
今回は、「子どもの『好き嫌い』を克服して何でも食べる子になる方法」ついて解説いたします。
私は、モンテッソーリ教員免許を取得し実践園で勤めてきました。
現在保育士と学童支援員をしています。
また、自分の子育てでもモンテッソーリ教育を実践して3人の子どもを育てました。 その経験を生かしてお伝えします。
この記事を読んでわかること
- 子どもの「好き嫌い」を克服する方法
- 子どもの「好き嫌い」の理由
- 子どもの味覚の成長について
- 子どもが「好き嫌い」でお困りの方、
- 子どもの育ちに関わっている方に
お届けします。
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子供の食事の悩みで多い、子供の好き嫌いを克服する5つのポイント
- 調理法を工夫する
- 苦手なものに実際に触れる機会を作る
- 子どもと一緒に苦手なものを使った料理をする
- 小量から少しずつ増やしていく
- 大人がおいしく食べて見せる
1,調理法を工夫する
子どもにとって嫌いな物には、それなりの理由があります。
例えば、形・舌ざわり・匂い…などいろいろです。
そこで、その理由を知り、調理法を変えていくことで、子どもにとって「食べられた」という実感を大事にしていきます。
子どもがその食品が嫌いになる理由をふまえて、調理法を工夫するとよいでしょう。
刻む
・はじめは形が分からないくらいに小さく刻みます。
・子どもの様子を見ながら少しずつ大きく切るようにしていきましょう。
煮る
・硬さが気になる子には柔かめに煮てあげます。
・色の変化が気になる子には煮る方法も変えてみるといいですね。
味つけ
・好みの味付けにします(カレー味、塩味、マヨネーズ味など)
・好きな味のものと一緒に和えることも試してみて下さい。
とろみをつける
・片栗粉などでとろみをつけると食べやすくなります。
・カレーやシチュー、マーボー豆腐などの具に混ぜ込むなどとろみのある料理にすると、食べやすくなる子どももいます。
- 嫌いな物を出す時は、小さく刻んであって入っているかわからない時でも、その食品が入っていることを話しておき、ひと口でも食べられたら、ほめてあげましょう。
- 嫌いな物が入っているのに、入っていないと嘘を言うと、その後出す食事も警戒してしまいます。
2,苦手なものに実際に触れる機会を作る
子どもに苦手なものがあると、遠ざけがちです。
しかし、親しみや興味を持つためには工夫が必要です。
子どもと一緒に買い物に行く
買い物に行った時に、子どもに種類や、鮮度の見方なども伝えてみてください。
名前を知ることも興味を持つきっかけになります。
例えば、「きのこ」であれば、シメジ、マイタケ、エノキ、シイタケ…などといったいろいろな種類の「きのこ」がありますね。
家庭菜園で作物を作り、収穫する
家庭菜園で苦手な野菜を育ててみましょう。
小さな苗の時から水をかけるなどの世話をしていくことで、愛着もわき、感謝していただくきっかけとなります。
家族みんなで収穫の喜びを感じ、世話をした子どもに対しても家族からねぎらいの言葉をもらうと、残さないで食べたくなるかもしれません。
○○狩りに出かける
実際に広い畑で自分の手で収穫すると、親しみもわき食べてみたくなることでしょう。
好きな料理法を子どもに選ばせるなどすると、ますます嬉しくなって自分から食べようとするかもしれません。
3,子どもと一緒に苦手なものを使った料理をする
子どもが料理をすることで、その苦手な物に触れ、興味を持つことにつながります。
そして、自分が料理したものを家族が喜んで食べてくれることに嬉しさも感じることでしょう。
子どもの料理はいつから?興味を持ち始めたら始めましょう。子どもの育ちに役立ちます
https://tumikitosuzu.com/meal-help/
4,小量から少しずつ増やしていく
離乳食のように、少しずつ食べて慣れていくことも必要です。
好きなものに形を変えて混ぜ込むのではなく、少量から始めて少しずつ食べていくことで、自信を持つようになります。
5,大人がおいしく食べて見せる
食事の雰囲気作りも気をつけてください。
まずは、まわりの大人がおいしそうに食べることが大事です。
楽しい気分であれば、美味しく感じます。
子供の食事の悩みで多い、子供の好き嫌いの理由
- 形が嫌い(見た目)
- 食感が嫌い
- 匂いが嫌い
- 友達も同じ苦手なものがある
詳しく説明します。
1,形が嫌い(見た目)
子どもは目からの情報に敏感です。
形だけでなく、表面の色や様子もよく見ています。
素直な目で、「気持ち悪いなど」感じるようです。
2,食感が嫌い
ヌルっとしのものや、ホクホクした感じのものなど、色々な食感があります。
子どもによっては、特定の食感のものがどうしても苦手にする子がいます。
3,匂いが嫌い
子どもは出された物の匂いをかいで確認しようとします。
大人はいろいろな情報の取得手段がありますが、子どもは五感を使います。
大人にはわかりにくいのですが、子どもは匂いをかいで確かめる事が多いです。
匂いが嫌いだと、子どもが知っているイヤなものと結びついて、食べようとしません。
4,友達も同じ苦手なものがある
友達が嫌いと言っていたものは、自分も嫌いでいいんだという思いがあるようです。
また、友達が嫌いと言っているものを自分が平気で食べる事に抵抗がある子どももいます。
子どもの食事の悩みは、味覚の発達を知って改善させましょう
<味覚の発達について>
- 味覚の発達時期
- 5つの味の役割
- 味覚を育てるということは?
- 日ごろの食事で考えておきたいこと
1,味覚の発達時期
味覚は生後3ヶ月から10歳までの間に発達すると言われています。
その間にいろいろな味を経験することが大事です。
経験がなければ、大人になって子どもの時に嫌いだったものを食べてもおいしく感じないそうです。
10歳までの食生活が、味の感じ方の方向性が決まるというわけです。
2,5つの味の役割
味の種類は5つあります。
- 甘味……エネルギーの源である糖があることが分かる
- 塩味……体液のバランスに必要なミネラル分があることが分かる
- 酸味……腐敗していることや果物が未熟であることが分かる
- 苦み……毒の存在が分かる
- 旨味……体を作るのに必要なたんぱく質の存在が分かる
3,味覚を育てるということは?
単純な味のものからだんだん今まで味わったことのなかった味を経験して楽しめるようになります。
新しい味を受け入れて楽しむことです。
そうして、大人の嗜好に近づいていきます。
「おいしい」と思える味覚の幅を広げて豊かにしていくことを意識していくようにしたいものですね。
味覚を育てるためには、
- 5つのいろいろな味の種類を経験させる
- 好きな物に偏らないメニュー作りを行う
- 食事中の会話の中で「酸っぱいね」などの表現をしてみせる
- 気長に「待ってやる」気持ちを大事にする
以上のことが大切です。
家族みんなで、温かい雰囲気の中で取り組んでいきましょう。
4,日ごろの食事で考えておきたいこと
毎日の食事が、単調にならず豊富な味を体験し、安心の味に定着することが必要です。
そのためにはー
- 食事が楽しいと感じる環境作り
- 繰り返し食卓に登場させることで嗜好を定着させる
- いろいろな素材を経験してもらう
1,食事が楽しいと感じる環境作り
好き嫌いをして、大人から怒られたり、食べてしまうまで食事が終わらない事にならないようにしたいものです。
よく言いがちなのは、「全部食べなかったら○○は買ってあげないからね」や「これを食べたら○○に連れて行ってやるよ」といった交換条件を出して食べさせようとすることです。
少し苦手だと思っている食べ物でも、楽しい雰囲気の中では自然と食べられたということもあるかもしれませんね。
明るく楽しい食事の時間にしていきましょう。
そのコツとして、会話を楽しむことがあげられます。
美味しいものと、温かい心を一緒にいただけるといいですね。
たとえ、子どもが苦手とするもののメニューだとしても、「今日はあなたの嫌いなものだけど…」などと決めつけたような言葉かけはしないようにしましょう。
2,繰り返し食卓に登場させることで嗜好を定着させる
嫌いなものと決めつけて食卓に出さなくなったら味覚の幅が狭くなります。
目先を変えることや、など工夫しながら、繰り返し出すようにしましょう。
3,いろいろな素材を経験してもらう
素材によって色、形、匂いなど違ってきます。
ワンパターンにならないようにしながら、色々な食材を経験できるようにします。
調理法によっても素材の味が変わってきます。
子どもの意見も参考にして工夫していきたいものですね。
まとめ
今回は、子どもの食事における悩みの中でも多い「好き嫌い」についてまとめました。
子供の好き嫌いを克服する5つのポイントはー
- 調理法を工夫する
- 苦手なものに実際に触れる機会を作る
- 子どもと一緒に苦手なものを使った料理をする
- 小量から少しずつ増やしていく
- 大人がおいしく食べて見せる
子どもの食事で好き嫌い、特に「好き嫌い」に悩んでいる方にむけて、子どもが好き嫌いを克服するために家庭でできる方法を解説しました。
あわせて味覚の発達についてもまとめました。
子どもにとって、食事の幅が広がり、家族と共に楽しいものとなるよう願っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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